Counter

東京エレキングスポーツ
東京エレキングスポーツ社
平成18年11月19日


タイガース?から井上淳一選手入団

 急遽羽田で設けられた記者会見。開始直後は和やかに進んだが・・・。羽田という時点で、疑問に思う報道陣もいたようだ。
 今季は開幕からメジャーでレギュラーの座を奪うと、6月までに15HRの固め打ち。タイトル争いに絡むも試合中のスライディングで負傷。現在マイナーで調整中のジュン・イノウエ選手。 記者会見に一足早いサンタ帽で登場、サービス精神旺盛のジュン・井上選手。この会見が、後にドタバタ喜劇に発展するとは、本人含め誰もが予測していなかった・・・。ちなみに上にある写真で判るように、デトロイトの「ジュン」は日系ベネズエラ人、右打者である。どう見ても別人だ。 エレキング球団屈指の武闘派幹部として知られる江田国際編成部長。数々の入団交渉を力まかせに押し切ってきたが、さすがに今回はアタマの悪さが露呈してしまった。今回の一件の責任を取るカタチで中東スカウト部長に降格となった。 韓国球界では屈指の巧打者としての評価が高かった、こちら、ホンモノの井上選手。オールスターにも選ばれる人気プレイヤーのまさかのドタバタ入団劇を韓国スポーツ紙も一面で報道。エレキングでは貴重な左打者として上位打線の中核としての期待もあがる。尚、背番号は本人の希望は「6」だったが、すでに決定していた架空?のジュン・イノウエ選手の「39」がそのまま渡される格好に。登録名もそれに併せて「JUN」に何故か決定。本人もそれを了承した。
 19日夕方、球界を揺るがす前代未聞の入団会見がおこなわれた。ことの顛末はこの日の早朝に始まる。本紙を初めとするスポーツ各紙宛にFAXで「本日、羽田空港記者会見ルームにて新入団発表」とのプレスリリースが東京エレキング広報からもたらされた。かねてより本紙は東京エレキングが極秘に大物外野手獲得に動いているとの情報をキャッチ、複数名の日米球界の候補者の身辺調査をおこなっていた。そんな矢先のこの入団の報、しかも選手名も明かされない状況に俄然、取材班は色めき立つ。そんな中、午前10時に羽田空港特別記者会見にて、嘉村GM補佐、江田国際編成部長、そして井上選手の3人による共同記者会見がおこなわれた。その内容は以下のとおり。
 嘉村GM補佐「只今、ジュン井上選手の東京エレキング入団が合意に達しましたのでご報告いたします。まずは井上選手、どうぞ」
 
井上「タイガースからこちらにお世話になることになりました井上です。どうぞ宜しくおねがいします」
この時点で報道陣は騒然、前日、洲崎選手の入団で遺恨を残したばかりの阪神と、まさかのトレード成立かとも思われた。阪神球団在籍者名簿を調べだす取材陣の慌ただしい動きに対して、
 
江田国際編成部長「いやいや、みなさん、私が同席しとるっちゅーことは、同じ虎でも、ほら、海の向こうのねえ」
ふたたびここで慌てだす報道陣。各紙、本社に問い合わせする者あり、MLB在籍者名簿を調べ始める者あり、と騒然とする中、本紙は現在デトロイト・タイガース傘下2Aに所属するジュン・イノウエ外野手であると確認した。昨年まで3Aで3年連続30本をマークしている強打者だ。今季はメジャーで52試合で15HRをマークするも故障者リスト入りで現在マイナーで調整中。しかしながら、現役大リーガーの入団ということで、会見場の空気は一転、熱気を帯び始める。
 記者「来季のエレキングは攻撃陣のコマはかなり揃っているとの見方が大筋ですが、ここでさらにイノウエ選手が入ることでさらに厚みがでますね。イノウエ選手、目標の数字というか、アピールする点は?」
 
イノウエ「そうですねぇ、まだチームをよく知らないのでなんとも・・・。とりあえずは持ち味であるコンパクトな打撃をアピールできれば・・・」
 記者「日本では主軸として30本以上が期待されていますが」
 
イノウエ「いやぁ、そんな。まずは3割ですね、それからです、ハイ」
 江田「いやあ、謙虚、謙虚。日本の球場はちっこいから40本、いや50本は打ってくれるもんと期待しとりますわ」

 記者「日本のプロ野球の印象とかはどうでしょう?投手の攻め方も向こうとはかなり違ってきますが」
 
イノウエ「うーん、そこはあまり意識しませんね。向こうでも日本の試合観てましたから。ファンが熱狂的ですね、クァンジュより。それにチームメイトのイさんや、先輩のソンさんからいろいろアドバイス受けましたから」
 記者「それはマイナー時代の事ですか?」
 
イノウエ「いや、昨日ですよ。今朝まで飲んでましたから、イさんとは。2人とも中日にいたんでしょ?」
 記者「・・・・?」
 
イノウエ「スンヨプは巨人でしょ、今。最近連絡してないけど」
 記者「失礼ですが、タイガースって・・・」
 
イノウエ「え、だから、阪神じゃないですよぉ。イヤだなぁ・・・
                キアですよ、キア。キア・タイガース」

 記者「ええええぇぇ!!!!!!」
ここで突然、同席していた江田国際編成部長と嘉村GM補佐が慌ててひな壇後ろの金屏風の陰に隠れると、10分後、2人とも顔面蒼白で表れた。今回の一件、本紙追跡取材によると、この日記者会見に登場したジュン井上選手とデトロイト・タイガースのジュン・イノウエ選手は全くの別人。ところが、2人の代理人が同一人物ということが判明。江田国際編成部長が代理人への獲得調査票を誤って記載。本来は「JUNE」と書くところを「JUN」としたために、代理人がキア・タイガースのジュン井上選手と交渉開始。そのもの本人と勘違いした球団側も、それと気づかずにこの日に契約書にサイン。もちろんジュン井上選手も気づかずにだ。この事態に会見場は大混乱。しかしながら、契約書に双方ともに合意?してしまっては後の祭り。急遽、「起亜タイガース」から「ジュンイチ井上」選手の移籍会見に切り替わった。顔面蒼白でぐったりとした嘉村・江田の球団幹部に囲まれ居心地の悪い井上選手。事態を呑み込めたのか、重い空気を察したのか、ここで機転を利かした井上選手は
 
井上「タイガースじゃなくて、スパイダースから来た、ジュン井上です!なんつって、ハハハ」
と精一杯のオヤジギャグを披露。会見場にはさらにドンヨリとした空気が漂った。しかし、この前代未聞のドタバタ劇で入団の井上選手だが、実のところはかなりの数字を韓国では残す一流プレーヤーだ。昨年まで4年連続3割を記録。その間の得点圏打率はも3割以上で、タイトルは逃すもののこの3年は打点王争いの常連という、韓国球界屈指のクラッチヒッターである。今までにエレキングには無いタイプの打者の加入はエレキングにとっては結果的にプラスに働く可能性大と考えると、今回の一件、双方にとっては良い着地点ともいえる。左の巧打者の加入でさらに厚みを増したエレキング打線は来季どんな戦いを魅せるのか。球春到来が待ち焦がれる。