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東京エレキングスポーツ
東京エレキングスポーツ社
平成18年9月23日




独自の球団運営で「球界の異端犬」との声も。
下駄を履いての「オトン式ノック(改)」を披露した、球界の陰の実力者、濱地オトン氏。
23日午前、秋の到来を予感させる曇り空の下、上高田球場にて東京エレキングの合同自主トレがおこなわれた。新球団開幕を来月に控え、高まる周囲の期待の中、各々の課題を消化し調整に余念がないエレキング戦士達。まさに虎視眈々と獲物を狙うような眼差しで黙々とノックを受ける選手たちの姿からは、大幅な戦力低下と高齢化、未だ決着をみない監督問題、そして悪ふざけが過ぎる広報の人間性、といった新球団を取り巻く不安材料は微塵も感じられない。それもそのはず、この日未明にストックホルムでおこなわれた欧州野球選手権の視察から帰国したばかりの杢太郎GMと、濱地、暁人両選手の父でもあり、東京六大学で不滅の46イニング連続失点、11打者連続与死球の大記録を打ち立てた往年の学生球界のスーパースター・濱地オトン氏(現・全日本深酒野球連盟理事、鹿児島麻雀大学野球部総監督)の厳しい視線が注がれていたからに他ならない。過去の球界では例をみない巨額な資金投下と、名だたる大物補強の実施で、開幕前から他球団の注目をあびるエレキングだが、未だにベールに包まれたそのチーム力には疑問符の声があがる。そんな中、杢太郎GMは「チーム力の底上げ」ならぬ「チーム力の上げ底」を強調。この日も「エサの時間まで時間があるから」とあくまで移動中の空き時間を強調したが、球界の寝業師と謳われるオトン氏とのツーショットはくしくも、「敵に勝つにはまず油断させろ」「鳴かぬなら諦めたフリしようホトトギス」を家訓とするGMの狡猾さを象徴するシーンとなった。
そんなGMの”上げ底”指令があったのか、ないのか、この日の打撃練習は「開幕まで手の内は見せないぞ!」というマスコミに対しての無言のかん口令となった。全選手意識してるのか、調整不足なのか理解し難い流し打ち連発で、報道陣も困惑の表情。それでも故障者リストからの復帰を目指す濱地、今期からの遊撃へのコンバートが噂される暁人のシュアなバッティングには、スタンドから感嘆の声が漏れ、この日の注目の新戦力、羽鳥・鵜飼両選手がバッティングケージに姿を現すと、にわかに報道陣が色めき立ち、カメラのフラッシュの嵐。前回の自主トレでの右肩痛が心配された羽鳥は、打席での感覚を確かめるようなパワフルなスイングでこれに応え、これが初の打撃披露となった鵜飼は、独特のクラウチングスタンスから即戦力女子アマの声に違わぬ内野ゴロでかねてからの好評価を裏付けた。そんな予行演習のようなマイペース調整で快音を響かせる打撃陣の中、とても洒落にならないガチンコ凡打で周囲を心配させたのが、今期に打棒復活が期待される「未完の空砲」こと嘉村のバッティングだ。かつては「中野少年野球屈指のアーチスト」との称号を引提げて鳴り物入りで前身のダークホース入団、首脳陣の期待を一身に集めたが、ルーキーイヤーを打率.133というファミスタ投手の打率以下の成績で終えると、翌年も期待に応えることができず三振の嵐。11月には1試合の最多三振記録(3三振・現在も球団記録)を樹立。この時名付けられた「振人類(しんじんるい)」のフレーズはこの年の流行語大賞にも選ばれた。結局、バルセロナ五輪の開催された92年から昨年までの長期間をダラダラと低空飛行。ファンの間では「スランプの確立変動」との有難くもない愛称で親しまれている。そんな嘉村に、長年チームメイトとして接してきた、今期からヘッドコーチを務める田中兼任外野手ははやくも「開幕の打順?サプライズあるかもよ」と、このグータラ外野手に奮起を促す意味で「開幕四番」の空手形を用意。これに対して嘉村がそのバットで応えることが出来るのか?に、この日注目が集まったが、結局、三度の打撃チャンスを全て内野ポップフライ、おまけに得意の早打ちで総時間5分足らずという惨憺たる内容。往年の原辰徳のVTRを観る様な不様な打撃で周囲を失望させた。ところが本人はそれにもお構いなしで「え、原サンみたい?やっぱ、俺も風格出てきたかねぇ・・・4番の。シッシッシッ」と配球以上に空気も読めないこともマスコミ、そして首脳陣に露呈してしまった。嘉村の打撃をトイレにいっている間に見逃してしまった杢太郎GMはその打撃内容を報道陣から伝え聞くと、紅潮した表情で一言、「ワンッ!」と吠えるなり球団専用車に乗り込み、足早に球場をあとにした。結果的に不渡り手形を掴まされる格好となってしまった田中ヘッドだが、それでも「ああやって初球からガンガンいける間は、嘉村は好調な証拠。100打数99三振でも構わない。たった一本の大アーチを架けてくれれば。・・・それになんといっても、あの脚で走者いる場面に凡ゴロでも打ってくれようものなら、そっちの方が眼も当てられないよ」とあくまでも強気のビジョン。大砲不在が叫ばれる打撃陣の頑張りがチームの浮上を左右するだけに、この日の嘉村の結果は球団関係者、ファンにとって象徴的な不安材料となってしまった。 今季よりヘッドを兼任する田中外野手。「学級崩壊」とも揶揄される新球団を束ねることが当面の課題か?その手腕を評価する球団関係者は少なくない。
入団時には球団初の国産大砲として期待された当時の嘉村選手。新人ながらCM出演も果たした。
今季から心機一転、背番号を「19」に変更し、再生を目指す嘉村選手。新球団の浮上の鍵はこの男のバットに懸かっている。

本紙が予想する開幕戦オーダー

@ 山賢 (投)
A 田中 (左)
B 嘉村 (捕)
C 濱地 (一)
D 加藤 (三)
E 暁人 (遊)
F 羽鳥 (右)
G
早川・新外人 (中)
H 本田 (二)